株式会社デサント
アスレチックブランド統括部
アンブロマーケティング部
アパレル開発を担当しており、特に機能面へのこだわりが人一倍強い。繊維製品品質管理士(TES)を持つ、まさに繊維製品についてのスペシャリスト。
自身の体験から新たな高機能ウェアを生むなど、優れたアイデア力も持ち合わせている。
また、UMBROがサプライするガンバ大阪やFC東京に所属する選手とも親交がある。
何より今回の対談に備えてトレードマークであった長髪をカットして現場に登場したことで、周囲をとても驚かせた。
株式会社岸和田スポーツ
アパレル商品戦略責任者
アパレル部門のMD責任者で、店頭での販売経験を活かした商品ラインナップを日々提案している。
サッカー、フットサルどちらも社内トップクラスの実力者であり、フルマラソンも走りきるスポーツ万能タイプ。
スポーツブランドを取り入れたファッションを好む。
今回が初めての対談ということもあり、前日はしっかりと睡眠を取って当日を迎えている。
< Jリーグ ユニフォーム >
三井:さっそくなんですけども、アンブロの代表的な商品であるガンバ大阪とFC東京のユニフォームについて、サプライすることになったきっかけを教えてください。
古賀氏:はい、まずは「アンブロ」についての説明になりますが、1998年から我々デサントが日本における製造と販売を自由に行える権利を持っていました。ちょうどその頃、アディダスブランドとの契約が終了したこともあり、フットボール事業の再強化という社内方針のもとでたどり着いたのが「アンブロ」というブランドになります。
三井:そうだったんですね。
古賀氏:そして、2003年にガンバ大阪と契約を結んだのですが、前年の2002年に日韓W杯でイングランド代表フィーバーが起こり(当時のイングランド代表はアンブロ製ユニフォームを着用)、日本そして世界にアンブロが知れ渡った非常にいいきっかけになりました。
三井:あれはすごかったですね。
古賀氏:その日韓ワールドカップの翌年に、日本でより確固たる地位を築こうとする中で、我々もまずは大都市を攻めようというエリア戦略からチームとの話し合いが進んで契約に至りました。そこからJリーグが掲げている地域密着戦略もあって、北摂地区(吹田・高槻・箕面)でのアンブロ拡販と、ガンバ大阪の成長がしっかりハマりました。そして次は日本一の都市・東京を攻めようということで2015年にFC東京と契約を結ぶことになりました。
三井:私たちのお膝元である大阪では、特にガンバ大阪のユニフォームの売れ行きが好調です。そこでガンバ大阪に関する話をお聞きしたいのですが、うちのスタッフからの質問になるんですけども「遠藤選手のユニフォームの着用サイズを知りたい!」とのことなんですが、、、
古賀氏:Lサイズです。(笑)
三井:ちょっとした豆知識として(スタッフが)ドヤ顔で接客をするためにも知りたかったので、ありがとうございます。
古賀氏:遠藤選手は身長177cmでテレビで見るより実際に会った方が大きいねってみんな言うんですけども、ユニフォームのLサイズは170-175cm位の方を想定していますので、彼は少しタイト目に着ていますね。
三井:正直、Lサイズだろうと思っていました。
古賀氏:そのまんまやんけ、みたいなね。
三井:そんなガンバ大阪の2016シーズンユニフォームなんですけど、いろいろ工夫がされていますが、完成までに困ったことや苦労したことがあれば教えてください。
古賀氏:まず困ったことは、グラフィックものは権利関係がややこしくて、各所への申請手続きに非常に時間を要しました。吹田サッカースタジアムは吹田市の所有になりますし、グラフィックを描いたのは大手建築会社さんです。そして苦労したのは、Sサイズから選手にサプライするXAサイズまで一つのグラフィックで同じプリント版を使うんですけど、バランスの調整に非常に手間がかかりました。
三井:しっかりスタジアムのプリントが施されていますね。
古賀氏:実は、そのグラフィックが出来上がったのはスタジアム完成前なんです。完成イメージ図と現地で撮影した写真をもとに有名なグラフィックデザイナーさんに大阪から世界へ誇れるクラブ、スタジアムへの夢・想いを込めて手がけていただき、ようやくアンブロオリジナルのデータが完成しました。
三井:私たちの知らないことがたくさんあるんですね。
古賀氏:どこの角度からグラフィックを起こすかもG大阪さんといろいろなやり取りがあって、例えばホーム側から見たスタンドにするか、アウェイ側から見たスタンドにするかといった細かい調整を行いながら、いろんな人のご協力があってユニフォームが完成しました。
三井:大きな反響があったと思うんですが、良いリアクションがあったところはどこですか?
古賀氏:ガンバ大阪のユニフォームとして過去最高の売上を記録し、Jリーグ全クラブで最も多くのお客様の手に渡ったユニフォームになっています。完成度が高いということで世界的にも取り上げられたりしたので、製作者としては大きな喜びでした。その一方で「全然欲しいのに手に入らない」という苦言もいただいたので、次回以降そこは十分に気をつけて同じことが起きないようにするつもりです。
三井:私たちにとってもかなり大きな反響のあったユニフォームでした。
古賀氏:世界中のどのメーカーよりも我々デサントは、アンブロブランドが世界で一番ユニフォームにこだわっていると自負してますので、そういったこだわりがしっかりとお客様に評価されたことに喜びがあります。
< 5本指ソックス >
三井:次は最近注目を集める5本指ソックスについてのお話しをお聞きしたいです。これを履いている選手を教えてください。
古賀氏:ガンバ大阪、FC東京では大多数の選手が履いています。
三井:そうなんですね。
古賀氏:ただ先ほど話題に上がった遠藤選手と藤春選手は履いていませんね。
三井:ここはカットしますか?(笑)
古賀氏:選手の好みもあるので大丈夫です。FC東京の森重選手、海外に移籍した太田選手や権田選手など比較的若い選手には評判が良くて、ベテラン選手にはやや抵抗のある方が多いといった傾向です。ガンバ大阪では、岸和田出身でユース世代の日本代表の初瀬選手をはじめ、若手選手はほとんど五本指ソックスです。
三井:ほんとに多くのトップ選手が着用しているんですね。
古賀氏:そうですね。ガンバ大阪だと、足首から先がない筒状のソックスを販売するまでは5人くらいしか履いていなかったんですけど、2015年頃に筒状のものを販売した直後から着用者が一気に増えていったという経緯があります。
三井:たしかに店頭でもその頃から問い合わせが増えてきました。
古賀氏:筒状のソックスを販売するまでは、選手やマネージャーが自分たちでカットしてミシンを使って縫ってたみたいです。ただ、そうするとどうしても糸がほつれてくるのと、締め付けが少ないのでテーピングをしてもプレー中にズレ落ちてくるといった相談もありました。
三井:そうだったんですね。実際に履いてる選手たちはどういったところを好んで履いていますか?
古賀氏:アンブロ製のものは薄くて素足感覚に近いので、繊細なボールタッチが出来るということと、プリント部分のグリップがしっかりと靴のインソールを掴んでくれるので、良い評価をいただいています。
三井:なるほど。
古賀氏:あと、実際に高校生に履いてもらって既存商品との比較をしたんですが、ジャンプ力が平均で約2cm、ターンのスピードは平均で0.06秒あがりました。0.06秒というと大して変わっていないと感じるかもしれませんが、プレー中に換算すると靴一足分くらいは違ってくるので、これまで届かなかったボールに届くようになったと実感してもらえたこともあって、多くの高校生に喜んでいただけました。
三井:ソックスからこだわることでプレー中のパフォーマンスも向上するということですね。
古賀氏:はい。
三井:ありがとうございます。お客様にはそういった検証結果があるということまでお伝えしたいと思います。
古賀氏:よろしくお願いします。
< EX-SHELTER >
三井:続いて、2016年の秋冬アイテムについてお伺いしたいのですが、アンブロといえば機能面に優れたブランドであると私たちは認識しているんですけど、なかなか機能面はお客様に伝わりにくい部分でもあると思います。そこで今回、このような対談の場を設けさせていただいたんですけど、まずは見るからに肌触りのよさそうなこちらの商品はどういった特徴がありますか?
古賀氏:こちらのウインドブレーカーは、アウトドアでいうGORE-TEX(ゴアテックス)のように水の侵入を防ぐ、あるいは従来のピステのように単に水を弾くだけの撥水ではなく、例えばゲリラ豪雨の時や雨上がりの濡れた芝生に座る時でも水が侵入しにくい「EX-SHELTER」という新開発素材を採用しています。
三井:どういった特徴がありますか?
古賀氏:肌面にメッシュ素材を採用しているので、この部分が体から出た汗をしっかりと吸ってくれます。なので、外からの雨風を防いで、内では体から出た汗を処理するという、内にも外にも強い最高峰のウインドブレーカーが出来たと自負しています。
三井:すごそうですね。
古賀氏:これは私の経験に基づいた開発をしたもので、従来のピステは薄かったり、雨にはそこまで強くなかったりするので、特に冬場は雨天時のトレーニングやサッカー観戦中に凍えそうになったことがあります。それをなんとか解消するウェアはないかと自分のタンスの中身を見たときに、アウトドア用のレインスーツが出てきました。それを見た時に「この技術をフットボールのトレーニングウェアに応用できないか」というのがきっかけになって「EX-SHELTER」が誕生しました。
三井:ありがとうございます。アンブロが誇る新機能を搭載した最高峰のトレーニングウェアということですが、「EX-SHELTER」はプロ選手が使用するウェアにも採用されているんですか?
古賀氏:はい。そうですね。
三井:プロ選手も使用するとあれば、さらに期待できますね。
< 長袖プラクティスシャツ >
三井:こちらの長袖プラシャツもただ売り場に並べるだけではなく、しっかりと機能面を説明したいと思っています。
古賀氏:これはベーシックな吸水速乾機能がついたプラシャツです。スポーツのシーンではドライの機能性って必須になってますが、我々のこだわりは汗を吸った後の乾くスピードの速さにあります。汗を吸って乾くまでのスピードを実際に計測すると、他メーカーの製品で80~90分で乾くところ、アンブロのプラシャツは約55分で乾きます。
三井:55分、素晴らしいですね。デザインについてもコンボシリーズは期待しています。
古賀氏:ありがとうございます。
< ラインドピステ >
三井:続いては私たちにとっては馴染みのあるこちらのピステについても説明をお願いします。
古賀氏:これはラインドピステといって、裏にメッシュのライナーが付いています。これを開発して約10年になりますが、ピステが流行りだしたある時、「ピステのイヤなところって汗をかくと肌にまとわりつくよね、何とか解消したいんだけど」といった話をとある関東のお店さんからいただいて、それに対して単純に裏にメッシュを付けたら肌にまとわりつかないなと思い立って実践したのが10年前でした。
三井:そんなきっかけがあったんですね。
古賀氏:その当時は裏地のない一枚モノのピステが一般的でしたが、僕らがこの商品を世に出してからは競合他社も類似品を販売するようになりました。
三井:今では当たり前ですもんね。
古賀氏:デザイン的な特徴としては、ガンバ大阪やFC東京のユニフォームにも採用している肩口に“X”をモチーフにしたマークが入った「PRO TRAINING(プロ トレーニング)」というアンブロ最高レベルの機能を持つウェアがあるんですけど、そこはなかなか高価で買えないといった方々の気持ちを満たせるようにということで、同じく“X”をモチーフにしてあります。出来るだけ多くのガンバ大阪やFC東京のプロ選手に憧れている人の手にいきわたるように考えて作ったので、比較的リーズナブルな価格設定にしています。
三井:こちらの商品はKISHISPOの主力商品になりますので、しっかり販売していきます。
古賀氏:よろしくお願いします。
< インシュレーションピステ >
三井:こちらも秋冬の定番アイテムでおすすめ商品ですが、改めて説明をお願いします。
古賀氏:我々はインシュレーションピステと呼んでますが、中綿入りのピステになります。実は中綿の入ったピステを日本で販売したのはアンブロが初めてです。
三井:そうなんですね。
古賀氏:インシュレーションとは「絶縁体」という意味ですけど、非常に薄いながら膨らみのある綿を使ってまして、発売当初の10年前に比べて現在では約半分の量で保温力は当時のものに匹敵する中綿を使用していますので、より軽くて薄くて温かいのが特徴です。先ほど紹介したラインドピステと同様に、ガンバ大阪やFC東京のプロ選手に憧れている人たちに買っていただきたいという目線から採用されたデザインになっています。
三井:売り場で手に取ると分かるんですけど、年々軽くなっているのがわかります。それでいて保温力を維持しているということで、こちらも主力商品であるということに間違いありません。
古賀氏:ありがとうございます。
三井:それでは今回、多くの裏話も含めてアンブロの商品のことをお教えいただきましたが、このあたりで締めさせていただこうかと思います。
古賀氏:はい。
三井:握手で締めさせていただきます。本日はお忙しい中ありがとうございました。
古賀氏:ありがとうございました。最後は握手で。(笑)
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